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企画趣旨
現在の皇居には、かつて大奥が存在した江戸城の本丸、二の丸、西の丸があったことをご存じでしょうか。一見、華やかに見える将軍の後宮、大奥。歴代の御台所(正室)と側室、その生活を支える女中たちの歴史には、徳川将軍家という大きな権力の狭間に生きてきた女性たちの栄枯盛衰が見えてきます。
その一方、壁書や女中法度などの規則に縛られ、閉ざされた生活の中で、
大奥の女性たちはそれぞれの人生における喜怒哀楽を享受してきました。娯楽小説や芝居、ドラマなどで描かれてきた想像の世界とは異なる、知られざる大奥の真実を、
遺された歴史資料やゆかりの品を通してご覧いただきます。
『千代田の大奥』より「千代田之大奥 釈迦もふで」(部分)
楊洲周延筆 明治29年(1896) 東京国立博物館蔵 ※会期中、展示替えがあります。


❶ 豪華絢爛!大奥で演じられた歌舞伎の衣装
坂東三津五郎に弟子入りした坂東三津江は、
女性の歌舞伎役者として大奥に出入りしました。
大奥で演じられた歌舞伎衣装を一挙公開するのは今回が初めてです。
❷ 繊細な刺繡模様……武家きものの数々
ドラマや映画とは異なる、本来の武家女性たちの装いを紹介。
美しい和刺繡で草花や風景を表わした搔取や小袖の数々を、
四季折々のしきたりとともにご覧いただきます。
❸ 重要文化財 奈良・興福院の刺繡掛袱紗全31枚を公開!
五代将軍徳川綱吉が側室である瑞春院(お伝の方)にあてて、
贈り物の上に掛けて送ったと伝えられる掛袱紗。
元禄期における最高の刺繡技術を用いて制作された逸品ぞろいです。
※会期中、展示替えがあります。
❹ 『千代田の大奥』40場面を全期間中、楽しめます
『千代田の大奥』は、知られざる大奥の女性たちの生活を楊洲周延が描いた錦絵です。
庶民があこがれた江戸城の大奥の様子が、
実物で全場面見られる、またとない機会です。
※東京国立博物館所蔵作品と文化学園服飾博物館所蔵作品を期間中、合わせて展示します。
※会期中、展示替えがあります。
❺ 大奥のヒロインたちをゆかりの品とともに紹介
歴代の御台所や側室、絵島生島事件で有名な月光院付きの御年寄である絵島、
十三代将軍徳川家定などに仕えた将軍付き御年寄・瀧山をはじめとする女性たちを、ゆかりの品々とともに紹介します。
前期展示:7月19日(土)〜8月17日(日) 後期展示:8月19日(火)〜9月21日(日)
※展示期間の表記のないものは通期展示を予定しています。

❶ 豪華絢爛!大奥で演じられた歌舞伎の衣装
坂東三津五郎に弟子入りした坂東三津江は、 女性の歌舞伎役者として大奥に出入りしました。 大奥で演じられた歌舞伎衣装を一挙公開するのは今回が初めてです。
❷ 繊細な刺繡模様……武家きものの数々
ドラマや映画とは異なる、本来の武家女性たちの装いを紹介。 美しい和刺繡で草花や風景を表わした搔取や小袖の数々を、 四季折々のしきたりとともにご覧いただきます。
❸ 重要文化財 奈良・興福院の刺繡掛袱紗全31枚を公開!
五代将軍徳川綱吉が側室である瑞春院(お伝の方)にあてて、 贈り物の上に掛けて送ったと伝えられる掛袱紗。 元禄期における最高の刺繡技術を用いて制作された逸品ぞろいです。
※会期中、展示替えがあります。

❹ 『千代田の大奥』40場面を全期間中、楽しめます
『千代田の大奥』は、知られざる大奥の女性たちの生活を楊洲周延が描いた錦絵です。
庶民があこがれた江戸城の大奥の様子が、
実物で全場面見られる、またとない機会です。
※東京国立博物館所蔵作品と文化学園服飾博物館所蔵作品を期間中、合わせて展示します。
※会期中、展示替えがあります。
❺ 大奥のヒロインたちをゆかりの品とともに紹介
歴代の御台所や側室、絵島生島事件で有名な月光院付きの御年寄である絵島、 十三代将軍徳川家定などに仕えた将軍付き御年寄・ 瀧山をはじめとする女性たちを、ゆかりの品々とともに紹介します。
前期展示:7月19日(土)〜8月17日(日) 後期展示:8月19日(火)〜9月21日(日)
※展示期間の表記のないものは通期展示を予定しています。
第1章あこがれの大奥

江戸時代以降、庶民にとって大奥はあこがれでありながら、江戸城の奥深くに隠された世界でした。本章では、ドラマなどで知られる長い御鈴廊下のセット、十一代将軍徳川家斉時代の大奥をモデルにしたとされる『偐紫田舎源氏』、『千代田の大奥』に代表される錦絵などを通して、江戸時代から現代にいたるまで、庶民があこがれとともにイメージした大奥を紹介します。

『千代田の大奥』より「千代田の大奥 滝見のお茶や」
楊洲周延筆 明治28年(1895)
東京国立博物館蔵
※会期中、展示替えがあります。

『千代田の大奥』より「千代田大奥 御花見」
楊洲周延筆 明治27年(1894)
東京国立博物館蔵
※会期中、展示替えがあります。

奥奉公出世双六
万亭応賀作、歌川国貞(三代豊国)筆 江戸時代 19世紀
東京都江戸東京博物館蔵
前期展示:7/19(土)〜8/17(日)
第2章大奥の誕生と構造

御台所や側室、そこに仕える女中たちの序列が整えられたのは、三代将軍徳川家光の時代です。「大奥」の礎を築いたと言われる春日局(斎藤福)と家光との関係や、草創期の大奥を支えた天樹院(千姫)、そして大奥で大きな政治的権力を握り栄枯盛衰を見てきた女中たちを紹介します。

春日局像(部分)
伝狩野探幽筆 江戸時代 17世紀
東京・公益財団法人 德川記念財団蔵

天樹院(千姫)像
江戸時代 17世紀
茨城・弘経寺(常総市)蔵

江戸城本丸大奥総地図
江戸時代 19世紀
東京国立博物館蔵

女乗物(部分)
瀧山所用 江戸時代 19世紀
埼玉・錫杖寺(川口市)蔵
第3章ゆかりの品は語る

世継ぎを生み育て上げる使命を与えられていた将軍の妻妾たちにとって、大奥での生活は常にプレッシャーとの戦いでした。世継ぎの生母と正室との対立、利害の異なる女中たちとの間での抗争……閉ざされた生活の中で気丈に生きた歴代大奥のヒロインたちを紹介します。

重要文化財振袖 黒綸子地梅樹竹模様
桂昌院(お玉の方)所用 江戸時代 17世紀
東京・護国寺(文京区)蔵
前期展示:7/19(土)〜8/17(日)

重要文化財刺繡掛袱紗 紅綸子地譲葉と熨斗羽子板かるた「楽寿」字模様
瑞春院(お伝の方)所用 江戸時代 17〜18世紀
奈良・興福院(奈良市)蔵
後期展示:8/19(火)〜9/21(日)

重要文化財刺繡掛袱紗 浅葱繻子地杜若と撫子に酒器「長生」字模様
瑞春院(お伝の方)所用 江戸時代 17〜18世紀
奈良・興福院(奈良市)蔵
前期展示:7/19(土)〜8/17(日)

搔取 萌黄紋縮緬地雪持竹雀模様
天璋院(篤姫)所用 江戸時代 19世紀
東京・公益財団法人 德川記念財団蔵
展示期間:8/5(火)〜8/17(日)

紅搔取姿三つ折人形
静寛院宮(和宮)所用 江戸時代 19世紀
東京・公益財団法人 德川記念財団蔵
展示期間:9/2(火)〜9/21(日)

搔取 白綸子地桜牡丹藤源氏車模様
伝静寛院宮(和宮)所用 江戸時代 19世紀
東京・公益財団法人 德川記念財団蔵
展示期間:7/19(土)〜8/3(日)

第4章大奥のくらし

壮麗な婚礼調度とともに輿入するのは、大奥に生まれた将軍の息女や、大奥に迎え入れられた御台所たち。大奥の中では、どのような日々を過ごしていたのでしょうか。四季折々の衣装、かるたや楽器などの遊び道具、女性の歌舞伎役者がまとった衣装などを通して紹介します。

竹菱葵紋散蒔絵婚礼調度
鶴樹院(豊姫)所用 文化13年(1816)
東京国立博物館蔵

竹葵牡丹紋散蒔絵女乗物(部分)
浄光院(鷹司信子)所用 寛文4年(1664)
東京国立博物館蔵

薩摩切子雛道具
天璋院(篤姫)所用 江戸時代 19世紀
東京・公益財団法人 德川記念財団蔵

搔取 紅綸子地流水花折枝模様
貞恭院(種姫)所用 江戸時代 18世紀
東京国立博物館蔵

徳川種姫婚礼行列図巻 上巻(部分)
山本養和筆 江戸時代 18〜19世紀
東京国立博物館蔵
※会期中、場面替えがあります。

小忌衣 浅葱天鵞絨地菊水模様
坂東三津江所用、高木キヨウ氏寄贈 江戸時代 19世紀
東京国立博物館蔵

振袖 紅縮緬地桜流水模様
坂東三津江所用、高木キヨウ氏寄贈 江戸時代 19世紀
東京国立博物館蔵

羽織・着付 萌黄繻子地的矢模様
坂東三津江所用、高木キヨウ氏寄贈 江戸時代 19世紀
東京国立博物館蔵
